抗体医薬品評価サービス

Therapeutic Antibody Evaluation Services

ジャクソンラボラトリーの受託試験部門では、独自のヒト化マウスモデルを用いた抗体医薬品評価サービスを提供しております。FcRnヒト化マウスモデルを用いることで、抗体医薬品候補の迅速かつ正確な評価を可能とし、ひいてはその臨床応用を支えます。

関連資料

前臨床から臨床への橋渡し:

抗体医薬品の半減期の迅速な比較を可能とするプラットフォーム

FcRnヒト化マウスモデルを用いることで、抗体医薬品やその他Fc領域ベースの医薬品の生体内での安定性を評価することが可能です。これは、マウスFcRnを欠損し、異なるレベルでヒトFcRnを発現しているユニークなプラットフォームであり、ジャクソンラボラトリーのDr. Derry Roopenianによって開発されました。これらのマウスは、特に以下の点で優れています。

  • 生体内での抗体の安定性に関して、臨床予測に有用なデータを迅速に得られる点
  • 非ヒト霊長類にとって代わる効果的かつ実証された代替手段である点
  • Fc領域ベースの治療候補の前臨床薬物動態(PK)解析ができる点
  • 少量の分子を用いて試験可能なため、費用効果が高い点
  • 免疫腫瘍学や自己免疫疾患の研究などで使用される、あらゆる種類のFc領域-アルブミン結合体、またはアルブミンに結合する治療薬の検査ができる点

薬物動態の前臨床試験におけるモデルと臨床との相関性

Model Cost Correlation with Human Data
In Vitro Low Low
Standard mice Moderate Low
Humanized FcRn mice Moderate Very good
Non-human primates High Very good

代表的なFcRnヒト化マウス系統

B6.Cg-Fcgrttm1Dcr Tg(FCGRT)32Dcr/DcrJ (014565) マウスは、マウスFcRn遺伝子のヌル変異を持ち、ヒトFcRnを内因性プロモーター下で発現するトランスジーン(hTg32)を持っています。このマウス系統ではヒトIgGが最もよく保護されるため、長い半減期データが必要な場合に最適なモデルです。

B6.Cg-Fcgrttm1Dcr Tg(CAG-FCGRT)276Dcr/DcrJ (004919) マウスは、マウスFcRn遺伝子のヌル変異を持ち、ヒトFcRnを発現するトランスジーン(hTg276)を持っています。ヒトFcRnトランスジーンを半数持つマウスは、体内での抗体持続性の微妙な違いを検出するのに最適です。

B6.Cg-Fcgrttm1Dcr Prkdcscid Tg(FCGRT)32Dcr/DcrJ (018441) マウスは、hTg32トランスジーンを発現する免疫不全マウスです。これらのマウス系統では、ヒトIgGがヒト生体内でおきているのと同様、最もよく保護されます。潜在的に免疫原性があるか、もしくは異種移植に使用されるFc領域ベースの医薬品を用いた治療を評価するのに役立ちます。

B6.Cg-Albem12Mvw Fcgrttm1Dcr Tg(FCGRT)32Dcr/MvwJ (025201) アルブミンノックアウトhTg32マウスは、アルブミン結合体またはアルブミンによって運搬される医薬品の薬物動態の特性化に有効な、ヒトを模倣したモデルです。

FcRn Humanized Mouse Models

PK試験のデザイン例

参考文献