【特集記事】2025年 最も読まれた記事BEST 5
平素はジャクソン研究所のトピック記事をご愛読いただき、ありがとうございます。
私たちは毎月さまざまな分野の最新の研究に関する記事を取り上げていますが、今回は昨年、視聴数が多く、皆様からご好評をいただいた記事BEST 5をご紹介します。
今後もジャクソン研究所の最新の研究動向をお伝えするとともに、読者の皆さまの関心の高い分野の記事を掲載してまいりますので、引き続きご愛読いただければ幸いです。
第5位
CASTマウスモデル:将来の新型コロナウイルス感染症大発生に備える重要なツール
ジャクソン研究所とトルドー研究所の研究者たちは、遺伝子組み換えを必要としない、重度の新型コロナウイルス感染症にかかりやすい初のマウス系統を発見しました。Scientific Reportsに報告されたこの研究は、感染症研究における極めて重要な一歩であり、新たなコロナウイルス変異体や将来のパンデミックに対するワクチンや治療薬の開発に不可欠なツールとなります。
CAST/EiJマウスは、遺伝的に多様な8種類のマウス系統から成る研究パネルの一部であり、ベータ、オミクロン、デルタの各変異体を含む新型コロナウイルス感染に対する重篤な反応を顕著に示します。他の系統は回復するか軽度の症状を示したのに対し、CASTマウスは急性疾患を呈し、新型コロナウイルスに対する独自の感受性を明らかに示しました。
第4位
JAXの研究者たちはコンピュータービジョンを使ってマウスの体重を測定するストレスフリーな方法を開発しました
ジャクソン研究所の研究チームは、コンピュータービジョンを使用してマウスの体重を正確かつ継続的に測定する非侵襲的な方法を開発しました。このアプローチは、従来の体重測定技術に伴うストレスを軽減し、マウスを対象とした生物医学研究の質と再現性を向上させることを目的としています。
この新しい手法は、研究者にとって重要ないくつかのメリットを提供します。複数日にわたって、わずかであっても重要な体重の変化を検出できます。このことは、薬物や遺伝子操作を含む研究にとって非常に重要となる可能性があります。さらに、この方法は一般的なヘルスモニタリングの診断ツールとして利用できる可能性があり、将来的にはさまざまな実験環境や他の動物に合わせて使用することもできるようになるでしょう。
第3位
より良く聞こえるために、内耳の秘密を解明
人間の耳は、単に音を感知するだけの器官ではありません。私たちの体が空間のどこにあるかを認識したり、音の距離や方向を判断したりするほか、友人の秘密に耳を傾けたり、群衆の中から警告の叫びを聞き分けたりと、耳は社会的な行動にも深く関わっています。つまり、聴覚は私たちが周囲の世界を体験するうえで、極めて重要な役割を果たしているのです。
ジャクソン研究所のAssociate Professorで内耳研究者でもあるDr. Basile Tarchini(バジル・タルキーニ)は、耳の構造に着目して研究を進めています。彼は、内耳の発達を形づくる分子メカニズムを調べることで、時間とともに変化する内耳の構造を理解しようとしています。この研究は、高齢者の聴覚再生能力を引き出す方法や、ケガによって失われた聴力を回復させる方法の手がかりを提供する可能性があります。
第2位
食事制限と長寿の関係を解き明かす研究
ジャクソン研究所の研究者らは、加齢と寿命に関する重要な研究を行い、食生活が人々の寿命を延ばす仕組みだけでなく、その悪影響についても新たな詳細を明らかにしました。研究は、周期的断食よりも摂取カロリーを減らすことの方が寿命に大きな影響を与えると結論付け、超低カロリーの食事は、体脂肪や血糖値(どちらも代謝の状態と老化の指標とされる)に関係なく、全般的にマウスの寿命を延ばすことが明らかになりました。驚いたことに、食事制限下で最も長生きしたマウスは、食べる量が少ないにもかかわらず、体重減少が最も少なかったマウスでした。食事制限下で最も体重が減ったマウスは、活力が低く、免疫系と生殖系の機能が低下し、寿命が短い傾向がありました。
この研究は、回復力の重要性を如実に示しています。最も丈夫な動物は、ストレスやカロリー制限に直面しても体重を維持し、最も長生きします。また、より適度なレベルのカロリー制限が長期的な健康と寿命のバランスをとる方法である可能性を示唆しています。
第1位
オルガノイドと臓器チップで、宿主・免疫・マイクロバイオームの相互作用を3次元で観察
オルガノイドは、ヒトの組織や臓器のミニチュア版のようなものです。幹細胞や患者の生検細胞を誘導することで、研究者は腸、皮膚、その他の臓器の一部を模倣した微小な3次元構造を作製することができます。例えば、ジャクソン研究所の科学者たちは、ヒトの結腸がんから腫瘍オルガノイドを作製することができます。これらの小型ながらも高度なモデルは、体内におけるがん細胞の挙動を再現するだけでなく、薬剤スクリーニングのためのプラットフォームとしても機能します。
臓器チップはこの技術をさらに一歩進めたものです。USBメモリほどの大きさの透明なプラスチック製デバイスには、生きたヒト細胞で覆われた中空で微細な流路が内蔵されています。JAXのDr.ジャリリの研究室では、これらの高度なシステムを活用し、マイクロバイオーム、免疫系、老化がどのように相互作用して健康と疾患に影響を与えるかを調査しています。


