免疫療法による副作用の軽減
Research Highlight

By Sophia Anderson

The FASEB Journalに掲載された 最近の論文 の中で、ジャクソン研究所(JAX)のイノベーション・製品開発担当シニアディレクターであるDr. James Keck(ジェームス・ケック)は、免疫療法の一種である二重特異性T細胞誘導抗体(BiTE)の有効性を評価しました。

BiTEのような免疫療法は、オフ・ザ・シェルフ製剤となる可能性を秘めており、がん治療に革命をもたらしましたが、完璧にはまだ程遠いものです。これらの 免疫腫瘍学に基づいた治療 は、多くの場合、 サイトカイン放出症候群 (CRS)と呼ばれる有毒な免疫反応を引き起こします。

Dr.ケックらは自分たちの研究に、ヒトの血液と免疫細胞を含む末梢血単核細胞移植ヒト化マウスモデル(PBMCマウスモデル)を使用して、ヒトの免疫応答を再現しました。彼らは、前駆B細胞急性リンパ性白血病(B-ALL)と診断された人向けのFDA承認薬でありブリナツモマブとしても知られる、BiTEの一つであるCD19xCD3 BiTEの有効性と安全性の両方を評価しました。

Dr.ケックは、いくつかのモデルで腫瘍量、免疫細胞の活性化、サイトカイン放出反応を測定し、治療に対する患者の反応を再現できるモデルを探しました。そして、腫瘍増殖の抑制における CD19xCD3 BiTE の有効性と、非毒性の抗腫瘍サイトカインの放出を刺激する能力の両方を実証できる1つのモデルを特定しました。このモデルを使用してさらに研究を進めることにより、Dr.ケックのような研究者は、最適な治療量を特定し、ドナー固有の治療域を評価するのに役立つ、BiTEと他の薬物の併用療法の可能性を探ることが可能になります。

著者:Sophia Anderson
米国ジャクソン研究所Research Communications部門スペシャリストのSophia Andersonは、ジャクソン研究所のマルチメディアコンテンツのクリエイターです。
SophiaはDiagnostic Genetic Sciencesで学位取得後、ジャクソン研究所に入所し、研究のコンセプトを説明するとともに、記事や映像を通じて、研究の背景にあるストーリーを伝えています。

英語原文: Reducing side effects from immunotherapies

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