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2026.9
膨大な時間とリソースを割いて作出したモデルを予期せぬ事象から守りましょう。繁殖の不具合、遺伝的浮動、自然災害など、何があっても研究が遅延せずに済みます。古い時代には、マウスを凍結保存する技術がありませんでした、そのため私たちはマウスの輸送や自然災害に翻弄されてきました。例えば1970年代、あるアメリカの研究者が15,000匹のマウスを州をまたいで新しい研究所に輸送しました。輸送には成功したものの、繁殖は大幅に遅延した上、25のユニークで代替不可能な系統を失ってしまいました。また、1989年にはジャクソン研究所で壊滅的な火災が発生し、マウス生産施設の多くが焼失し、世界中のマウス研究に大きな支障をきたす事態となりました。この時、生物医学界は再び結束し、失われた系統の救出のために繁殖ペアをジャクソン研究所に戻しました。
その後時代は移り変わり、凍結保存技術が確立されてからも、凍結バックアップを怠っていたために起こった事例があります。2012年、ハリケーン・サンディがNYUラングーン医療センターを浸水させた影響で、3,000系統以上を失い、50人の研究者の研究が停止、経済的損失は数千万ドルにのぼりました。しかし、より壊滅的だったのは貴重な系統の喪失でした。系統の一部には凍結保存されたバックアップがなく、数十年分の研究が一晩で失われてしまったのです。もし系統を凍結保存していたなら、最小限の遅延で復元し、研究を再開することができます。また、研究に不可欠なマウス系統、特に自分で作ったものや再作製が難しいものは、必ず凍結保存をしましょう。
繁殖の不具合、遺伝的浮動、自然災害など、予期せぬ事象への対策に加え、以下2点のメリットがあります。
- コスト

こちらは利用頻度の低い研究用系統について、生きたコロニーを維持する場合と凍結保存する場合の費用対効果の比較を示したものです。頻繁な遺伝子型解析を必要とするヘテロ接合体コロニーの維持費用は、年間数十万円から数百万円に及びます。たとえ飼育管理費(per diem)が低く抑えられている場合であっても、コロニーを維持し続けることによる累積費用は、凍結保存にかかる費用(数回の復元作業が必要になった場合を含めても)に比べて、急速に増大することがわかります( MV Wiles et al, Methods Mol Biol., 2010 )。
- SOPF(Specific Opportunist Pathogen Free)
体外受精とそれに続く胚移植により、感染しているマウスをSOPF化できます( H Suzuki et al, Exp Anim., 1996 )。外部機関から感染(の疑いがある)マウスを動物実験施設に搬入する、または、動物実験施設で貴重な系統のマウスの感染が発覚した場合など、この過程を踏むことでマウスをクリーン化できます。
あなたの系統の特性を加味して選択しましょう。
| 凍結受精卵 | 凍結精子 | |
|---|---|---|
| 適している系統 | ・ホモ接合体の状態で保存したい系統 ・複数の変異がある系統 ・遺伝的背景が独特な系統 ・頻繁に使われる系統や迅速な生体復元が必要な系統 |
・単一の変異を持つ系統 ・共通の近親系の背景を持つ系統 ・小規模なコロニーで維持されている系統 ・使用頻度の低い系統 |
| メリット | ・狙った遺伝子型の安全な復元 ・より速く復元できる |
・オス2匹のキャリアから実施可能 ・安価である |
| デメリット | オス2匹(8〜16週齢)と少なくともメス8〜15匹(4〜12週齢)が必要 | ヘテロ接合体が復元されるため、ホモ接合体マウスの作製には追加の繁殖が必要 |
| 予算 | 初期費用は高いが、復元に必要な時間と資源は小さい | 初期費用は低いが、狙った遺伝子型を得るためにより多くのリソースが必要になる場合がある |
マウスの作製には膨大な時間とリソースがかかります。日本は災害が多い国です。災害の他にも繁殖の不具合、遺伝的浮動など、予期せぬ事象から系統を守りましょう。ジャクソン研究所は30年以上にわたり受精卵の凍結保存技術を改良してきました。また、ジャクソン研究所が開発した精子凍結保存法は業界標準にもなっています。私たちの14,000以上の系統を凍結保存している貯蔵タンクは液体窒素が自動充填され、定期点検が実施され、24時間体制で問題が起これば警報で知らせる安全な施設で管理されています。さらにサンプルを複数のタンクに分けて複数の場所で保管することで、さらなる安全性とセキュリティを確保しています。
ジャクソン・ラボラトリー・ジャパンでは短期間完結可能な下記の業務も請け負っています。お困りの際はぜひご利用ください。
※下記の業務は現在
アカデミアのお客様限定でキャンペーン
を実施しております。
| クリーン化 | : マウスを体外受精によりクリーン化し、PCRでSPFを確認します。 |
| 個体復元 | : 凍結受精卵又は凍結精子から個体を復元し、20匹を納品します。 |
| 凍結受精卵/精子作製 | : オス2匹、メス15匹を使用し、凍結受精卵180個および 凍結精子5ストローを作製します。 |
| 凍結精子作製 | : オス2匹を使用し、凍結精子10ストローを作製します。 |
もしご判断を迷われる場合はぜひ当社の サイエンティフィックサポート窓口 までお問い合わせください。マウスの専門知識を持つスタッフがサポートいたします。
参考:
・
Cryopreservation: Protect Transgenic Mice and Reduce Costs
・
The sophisticated mouse: protecting a precious reagent - PubMed
・
Rederivation of mice by means of in vitro fertilization and embryo transfer - PubMed
・
https://www.jax.org/jax-mice-and-services/colony-management/cryopreservation
・
短期業務パッケージ(検疫/クリーン化等) | ジャクソン・ラボラトリー・ジャパン
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