Event
ジャクソン・ラボラトリー・ジャパンは、2022年11月22日(火)にB6J Aged 研究会 第4回講演会を開催いたしますので、ご案内申し上げます。
B6J Aged 研究会は2018年に脳/神経科学研究分野における老齢研究ツールとして老齢マウスモデルを検討する場としてスタートし、現在では幅広い分野で老齢マウスを用いた研究を共有/議論いただく場となってまいりました。
第4回目の講演会となります今年は、あらたに4名の先生方をお迎えしご講演をいただきます。
みなさまのご来場を心よりお待ちしております。
※ご講演に関して、タイムテーブルなどの修正がございます場合には、本ページにて修正させていただきます。
演 題:老年医学研究における自然加齢C57BL/6Jマウスの育成と老化症状の解析
演 者:野田 義博 先生
地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター
研究所 実験動物施設
要 旨:
日本は世界に先立って超高齢社会を迎え、高齢者の心身が健康で、地域での生活維持を可能にするための老年医学研究の成果は多くの期待が寄せられている。げっ歯類のマウス・ラットは老化の表現型がヒトと類似しており、平均寿命が2年半程度と基礎老化研究のモデル動物として非常に有用である。老化・老年病は多くの要因が含まれる多面的な研究対象である。ヒトの老化メカニズムを解明する研究や老化の過程への介入など、健康寿命の延伸を試みる研究において生じる現象を的確に捉え、それらの原因について考察することが極めて重要な課題である。本講演では老年医学の基礎研究におけるC57BL/6J自然老化マウスの解析について、我々の取組みの一部を紹介する。
演 題:老化関連疾患発症・進展の分子機構
〜血管内皮細胞老化の観点から〜
演 者:池田 宏二 先生
京都府立医科大学 長寿・地域疫学講座
要 旨:
本邦の高齢化率は世界的にも突出して高い。超高齢化社会を健全に維持していくためには健康寿命の延伸が必須であり、健康寿命を縮める老化関連疾患をいかに予防・治療するかが重要な課題である。「人は血管とともに老いる」と言われるように、血管の老化は個体の老化において重要な役割を果たすと考えられてきたが、その因果関係や背景のメカニズムの多くは不明のままであった。私たちは全ての血管の内層を裏打ちする血管内皮細胞の細胞老化に注目し、老化関連疾患との関連について研究を進めている。本講演では私達が作出した血管内皮細胞特異的老化マウスやAged B6Jマウスを用いた研究から明らかになった老化血管内皮細胞の病的役割を紹介する。
演 題:骨格筋の再生・可塑性とその加齢変容
演 者:小野 悠介 先生
熊本大学発生医学研究所 筋発生再生分野
要 旨:
高齢化が急速に進み,加齢にともなう筋力・筋量の低下(サルコペニア)が深刻な社会問題となっている。筋量の減少は糖尿病などの代謝性疾患の引き金にもなる。したがって,より長く健康に活躍できる健康長寿社会を実現するためには,骨格筋を生涯にわたって健常に維持することが重要である。サルコペニアの発症機序は極めて複雑であり,不明な点が多く残されている。我々は,加齢による筋内ニッチの変化や再生・可塑性の低下に着眼し,そのメカニズムの解明に取り組んでいる。本講演ではサルコペニアの予防治療法の開発を目指した我々の研究成果を紹介したい。
演 題:2光子生体イメージングでみるウイルス感染肺
演 者:植木 紘史 先生
国立研究開発法人 国際医療研究センター
東京大学
要 旨:
インフルエンザならびに新型コロナウイルス感染症は致死性の肺組織障害を引き起こす呼吸器感染症である。これら呼吸器感染症ウイルスの病原性には宿主応答によって惹起される炎症が関与すると考えられるが、その詳細については明らかでない。我々はウイルスに感染した組織を生理的な環境で観察するために、2光子励起顕微鏡を用いた肺の生体イメージングシステムをBSL3施設内に構築した。本システムを駆使することで、呼吸器感染症ウイルスに対する宿主応答について新たな知見を得ることが可能となり、インフルエンザウイルスならびに新型コロナウイルスの病原性発現メカニズムの一端が明らかとなった。
<B6J Aged研究会 第4回講演会 ご案内フライヤー資料>
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